医師の転職動向
厚生労働省が発表の「令和2年職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」と「令和3年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」によると、医師の求職申込件数は増加傾向にあることがわかります。
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | |
新規求職申込件数 (有料) |
123,015件 | 140,595件 | 171,194件 |
新規求職申込件数 (無料) |
359件 | 351件 | 379件 |
常用求人数 (有料) |
306,823件 | 342,695件 | 442,299件 |
常用求人数 (無料) |
2,537件 | 2,596件 | 2,382件 |
常勤医師の求人数を示す常用求人数(有料)は、2000年の306,823人から、2020年には342,695人、2021年には442,299人と増加しています。
特に2020年から2021年にかけて求人数が急増していますが、こちらは、新型コロナウイルス感染の影響が関係していると考えられます。
新型コロナウイルス感染症は、2021年に5類に移行しており、感染患者の急増や季節外れのインフルエンザ流行による患者数の増加を見越して、病院が求人を出している可能性があります。
求職者数と求人数の増加から、医師の転職市場は年々活性化していることがうかがえます。求人数の増加により医師にとっては、売り手市場となる可能性もあるが、自身のキャリアプランや資格、実績などをよく検討した上で転職することが肝要です。
参考:厚生労働省|令和2年度事業報告書の集計結果(速報)
(1)医師の転職市場規模は大きい
医師は、基本的に買い手市場であり、転職先が見つかりやすいため、一般事務職よりも転職回数が多い傾向にあります。
厚生労働省が2020年に発表した「職業紹介事業の集計結果」によると、2020年度に有料職業紹介事業者や職業紹介事業者などの職業紹介事業者を通じて正社員として就職した医師数は15,958人でした。常用雇用とは、雇用期間の定めのない雇用契約又は雇用期間が4ヶ月以上の雇用契約をいい、季節労働を除きます。
(2)医師の有効求人倍率は高い
有効求人倍率とは、求職者1人当たりの求人数を示し、1倍以上は売り手市場、1倍未満は買い手市場を示しあmす。
新型コロナウイルスの感染拡大により、有効求人倍率は2020年4月から9月まで低下したが、2020年10月以降は回復傾向にあります。
m3.comCAREERの調査によると、2021年7月~9月の有効求人倍率は、最も高い東北エリアで8.1倍、最も低い近畿エリアで2.9倍と高水準を維持しています。
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